三河~浜松、歴史と住宅業界再考(業界の闇を何とかしたい)

地盤のお話が続いてしまったので、今回は住宅業界全般について

最近、本業の建物づくりと並行して、地元の設計事務所さん、不動産会社さん、工務店さんの相談業(お金をもらっていないので「業」にはなっていませんが)が多くなっています。

内容は耐震、温熱、土地、契約についての相談や、もめごとについて

元々Noと言えない性格なので巻き込まれ体質ではあるのですが、最近は意図して巻き込まれています。

理由は、「自社が生き残るために他社のデータを取るため」です。

孫氏の兵法の「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」を参考にして、他の会社の考え方やレベルを知れば、自社ができること、するべき事を明確にしやすいと思っています。

強い敵(本当に良い家づくりを適正価格でやっている会社)とはなるべく戦わず、弱い敵(ダメな家づくりをいいお値段でやっている会社)と競合するようになれば生き残りやすいとも考えられます。

サンプルとしては全然多くありませんが、「きっとこういう状態」「こうすると良くなるのでは」という仮説程度の考えを書いてみたいと思います。

状態:ごく一部の超強敵たちを避ければ問題なく勝てる場所でありながら、成果物(価値がわかるお客様)が少なく、結果的に強敵と戦う羽目になる(笑

解説としては、全国的に言える事ではあるのですが、悲しくなるくらい業者の知識とモラルが低いせいで消費者側も惑わされてしまう事があるように思います。

〇会社規模が大きくなるほど分業化されており、営業職は「売上」でしか評価されないので半分だましてでも仕事を取ろうとする(そもそも建築の知識が無いことも)

本当にある事例:他社となるべく会わせずに契約を急かして、引けなくなった状態から追加費用をどんどん提出

〇小規模で古い体質な会社ほど新しい情報について行けず、「昔から良いものをつくっている」と思い込んでいる

本当にある事例:基準が変わったこと、変わる事に気づかず将来的に不適合建築になるであろう建物を胸を張ってすすめている

三河~浜松は自動車関係の製造業が盛んな地域なので、その視点からすると品質管理について「今どきそんなひどいはずはない」と思われている方は多いのですが、現場で毎回違う条件という事を差し引いても自動車工場の10倍以上はひどい業界だと思います。

でも、そのままでは手を抜く業者、無知な業者ほど利益が出て社会的にも消費者としても損失になってしまいます。

そこで、佐藤工務店の今後の役割として、下記のような活動を少しづつでもできればと考えています。

〇一般の方が安全に建築会社を選ぶ知識を得られるようなボランティア活動をする(いずれ自社に返ってくると信じて)

〇近い地域の真面目に家づくりに取り組んでいる会社と積極的に仲良くなる

実は上記は、オリジナルの思考ではなく、かなり前から浜松で既にやっておられる方々がおられます。

佐藤工務店もみらつぐの会に入会しているのでyoutube参加のお誘いを頂いてはいるのですが、参加者の方々と質問者さんのレベルが高く若干怖気づいています・・・

(近々頑張って参加したいと思っています。)

この取り組みは、大手のように研究室もなく、絶対数として失敗事例も少ない小規模工務店、設計事務所には本当に必要な仕組みだと思います。

地域的に自動車、バイク業界が浜松~三河で発展してきた、ものづくりで世界と戦える風土と、

徳川時代も三河~浜松間を足掛けに家康が天下を取るに至った歴史から、「潜在能力はあるんだ」と言い聞かせればモチベーションも上がります。(豊橋は歴史的に目立つ実績がありませんが中間地なので何らかの役に立っていたと思いたい・・・)

「三河武士は最強、でもめんどくさい」という話があるようですが、地域的に建築業に限らずマニアックな方も多く、顧客の知識としても本当にそういう方に火が付けば全国にも通ずる流れを作れる地域でもあると思っています。

業界の将来に危機感を感じる出来事があったので、そんなことを考え書いてみましたが、先輩方のお力を借りつつ良い会社、頑張った職人さん達がもっと評価されることに尽力できればと考えています。

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