現在の建築業界は、とてもゆがんだ構造になっていると思います。

大手メーカーは分業化と歩合制の弊害で、自社の家づくりと合わなくてもなんとかしてローンを多く組んでもらい、売ったあとは他人任せだったり転勤してしまったり

小規模工務店は、さらに厳しいことに相見積をされた結果、良い家をつくる会社ほどお客様からは素材や職人さん、品質管理の説明が難しくなり、原価のコストダウンをせざるを得ない状況が増えていると思います。

もちろん全て当てはまらずに、大手も中小工務店もそんな事ないと言ってくれる会社が多いほどうれしいのですが、上記のようなことは良く耳にします。

「契約したら冷たくなった」とか「営業さんに話したのに全然伝わっていない」とか「やっぱり小さい工務店を選んではいけなかった」

と、お客様に言わせてしまうような実態に心当たりはないでしょうか?

建築業は、社員1人に対して、年間の粗利が約1000万円必要だと言われています。

例えば、一般的な企業のように110日休みを取ろうとすると255日働き、1000万円÷255日=約3.92万円

8時間労働であれば1時間当たり約4900円の利益を出さなければいけません。

(実際の給料はその半分近くになるので、大手メーカーの場合によっては1000万超の給料には到底追いつかず、就職先にも選ばれにくい状況になっています)

これを実現させるためには、なるべく近くの仕事を丁寧にして移動時間を減らし、効率の良い技術を取り入れ顧客満足度を上げて利益も上げることが必要だと思いますが、業界としてはあまりうまくいっているようには思えません。

もう少しすれば、情報がどんどん見える化されて自然淘汰が進むとは思いますが、おそらく先に淘汰されるのは大手ではなく情報発信や情報取得が苦手な工務店からだと思っています。

その前に、技術力を持ち、責任をもってメンテナンスもできる工務店で協力体制をつくり、それぞれが不足している部分を補いながら「地域工務店という選択」を確立したいと考えています。

今のところ個人的な理想でしかありませんが、もしこれが実現したらお客様も安心して高品質でコストを抑えた近所の工務店を選び易くなり、工務店も利益が出て顧客満足度の高いアフターサービスも可能になり、職人さんも近くの現場で丁寧につくることに打ち込め、なおかつ賃金アップも見込める業界の改善につながるのではないかと考えています。

もちろん自社だけでその体制ができていたり、協力しなくても問題ないという方は多くおられるとは思いますが、もしこの考え方に共感できる方がおられましたら是非ご連絡ください。

具体的には、

〇構造計算や温熱計算、結露対策、室温シミュレーションが自社で行える設計体制への情報共有

〇ホームインスペクション(第三者のチェック)を歓迎できるくらいの施工体制の情報共有

〇換気や通気を適切に行い、白アリ対策や塩害対策等この地域において耐久性の良い家づくりの議論

〇何らかの原因で、自社が機能できなくなってしまった時のお客様へのメンテナンスの協力(特に災害時)

等を行い自社の利益だけでなく、本気で地域や業界として存続し、発展していけるようなつながりにしたいと考えていますので、是非よろしくお願いいたします。

satokoumuten0532@gmail.com