ケアマネさんの奮闘と家族の葛藤

在宅介護の救世主は公的介護保険です。もちろん民間のサービスも利用していると思いますが、やはり中心となるのは公的介護保険でしょう。FPめいは、7年半にわたる父の介護経験を活かし、介護制度や介護に関するお金に強いファイナンシャル・プランナーとして活動しております。今回は、実際にご相談案件での困ったことを中心にお伝えします。ぜひ最後までお読みください(3~4分でお読みいただけます)。

ケアマネージャーとは

ケアマネジャー(通称:ケアマネ)は介護計画(ケアプラン)を作成する専門家です。ケアマネさんと利用者の家族との信頼関係はとても大切です。例えば、介護度が進んだり、介護者が疲れてしまったり、仕事の調整が難しくなった場合、すべてケアマネさんに相談をします。ケアマネさんは新たな介護を提案してくれたり、状況を改善するためのサポートをしてくれます。

しかし、ケアマネさんも人間です。介護は仕事として行っていますが、お互いに歩み寄ることは大切です。介護中は、切羽詰まったり、介護する側が疲れ果ててしまったり、どこに気持ちをぶつけて良いのか分からなくなることも多いです。

昨日までできていたことが今日はできなくなることもあります。例えば、トイレの失敗やおむつの漏れ、ご飯をうまく食べられなくなることも…。本当に辛いですよね。そんな中、プロとして介護家族に寄り添ってくれるケアマネさんは心の支えです。

ただし、ケアマネさんにお願いしてはいけないことがあります。それはお金の管理です。

お金に関することはNG

ケアマネさんはお金に関することには、関与できません。例えば、家族に代わって口座からお金を引き出したり、本人に代わり署名や押印はできません。同居の家族がいる場合は書類を家族にお願いすることも可能ですが、一人暮らしの場合は書類一つでも、難しい状況もあります。

一人暮らしをしていると、認知機能が低下していても身体機能がしっかりしていると、短時間一緒に過ごすだけでは、親族も気づかないことがあります。介護が必要な状態が進んでいる場合だけでなく、一人暮らしの元気な高齢者も注意が必要です。 高齢単身世帯の場合、普段の生活は買い物、食事作り、洗濯などの生活介助があればなんとかなることが多いです。しかし、転んで骨折して入院をすると、身体機能だけなく認知機能も低下することがあります。認知症が進むと、契約、解約といった手続きができなくなり、銀行にお金があっても使えなくなることがあります。不動産などの収益物件がある場合も、大家として更新手続きを行うこともできません。

銀行口座は必要なものだけに

75歳以上のご両親がいらっしゃる方、万が一に備えて準備はできていますか?親の銀行口座を把握していますか?暗証番号はどうでしょうか?キャッシュカードの磁気がだめになると変更が必要になりますが、その際に名前が書けない、簡単な質問に答えられないときはどうしますか?銀行の代理人カードを作成してありますか。

定期預金は、75歳を過ぎた時点で可能な限り、普通預金や決済預金に移しておきましょう。そして、必要な口座だけにしておくことが大切です。生活をシンプルにすることで、介護が必要になったときお金の管理がしやすくなり、介護に対する初動を早くすることができます。

介護にかかる年数と介護にかかるお金

介護に要する年数は平均5年1ヶ月、費用は月に8.3万円です。つまり、一人当たり約500万円が必要になります。介護の場合、年数や費用がさまざまなので中央値は月額12.3万円です。

介護破産や介護難民にならないためにも親が元気なうちに子世代が50代のうちに介護にかかるお金を把握しておくことが必要です。

出所:豊橋市 令和6年いきいきシルバーエイジ

出所:公益財団法人生命保険文化センター

悩ましいことがあるときはお気軽に

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