M9地震に備えよ

狙ったようなタイミングで、8/9に発売されました。

私自身の解読力と、時間的制限で飛ばし読みをしてしまっているため1/3も理解できていませんが、

仕事柄地震の事を考える事が少し一般の方よりも多い立場として地域のために発信できる事を、感覚的にお伝えしたいところだけご紹介します。

ご興味のある方は、是非お買い求め頂き、周囲の方にお伝え下さい。

冒頭の一文

【人々が自然の本当の姿を知らなければ、災害は一向に減ることはない。一方で、人類は科学という叡智を持っている。知恵をしぼれば災害をいくつか減ずることは可能であり、荒ぶる自然と共存することまできる。科学を知らずして、自然と上手に付き合うことはできないだろう。大地の営みに翻弄されるばかりではないのだ。】

その通りだと思う一方で、私たちはどこかで「自分は死なない」とか、「まだ大丈夫」と考えてしまっていないでしょうか。

特に家づくりは、科学に基づいてしなければいけないと思います。

国の基準は後追いで、問題が発生してからでないと法が変わりません。

2025年から改正される建築基準法ですが、科学を求めている会社は既に問題なく対応しており、基準のさらに上を行っています。

後追いの法律に、改正されてから対応しようとしている「遅れの遅れ」をとっている建築会社が多数いるという現実は「知ろうとしない」事から来ていると思います。

p57

地震は自然現象だが震災は地震が引き金となって人間がおこすものである。

すなわち、震災の規模は震源の場所やマグニチュードの条件だけでなく被災する人間側の条件が大きく左右する。

「動物の中で、地震で死ぬのは人間が1番多い」と聞いた事があります。

もし、人間も野生に近い暮らしをしていたら、確かに津波以外で死ぬリスクは少ない気がします。

自分達でつくった構造物やシステムにより、被災リスクを増やしてしまっているのではないでしょうか。

安全で便利な暮らしをやめられない私達には、せめて長期的に災害に耐え、持続可能な社会をつくっていく責任があると考えています。

建築、不動産業は会社規模が大きくなるほど、「売る」事ができる人が評価される仕組みになっています。(それが騙す事につながったとしても...)

人任せにせず、自分で生き残る道を考えるタイミングに来ていると考えています。

p63

沖積層と呼ばれる若くて柔らかい地層が厚くたまっている。

こうした沖積層は水分を多く含むためたちまち「液状化」を起こし、泥水を噴き上げて水田のようになる。

以前も書きましたが、豊橋は液状化する可能性の高いエリアがたくさんあります。

家は支持層までの地盤補強でなんとかなりますが、周辺環境は能登半島のように大変な事になり得ます。

液状化リスクの少ないところに住む選択肢があれば、そちらをおすすめします。

不動産屋さんは、「土地を動かすこと」を商売にしてしまっているため、説明義務以上の条件が悪い事はなかなか教えてくれません。

建築会社が積極的に土地選びにも関与しなければいけないと考えています。

※液状化の仕組み(お子さんの自由研究にも面白いかもしれません。)

豊橋市液状化危険度分布図(理論上最大想定モデル)

https://www.city.toyohashi.lg.jp/secure/19963/ekijyouka-riron.pdf

p134

「南海トラフ地震臨時情報の仕組みと伝達経路」に今回の巨大地震注意が発令さらるまでの流れが記載してあります。

当たり前ですが、「ちゃんと条件が設定されて、セオリー通りに発令された」事が認識できます。

情報が不確かですが、愛知県でのスロースリップも観測されているようなので、警戒して損はないかと思います。

p181

「私が本で伝えてきたメッセージ」の中に

【世の中には知らなくてもいいことはたくさんある。しかし、津波のように知っておかないと命の危険に直結する知識が確かにある。イギリスの哲学者フランシス・ベーコンは「知識は力なり」という言葉を残した。】

知る事が自分の命を守る事につながるのであれば、やはりそれは力になると思います。

建築士として、命に直結する地震や、ヒートショックについて知識や理論を持ち合わせていない事は無力であり、価値が無い事だとも思います。

文中に、「津波でサーフィンをしてみたい」という若者の発言が取り上げられていましたが、

家づくりでは、ユーザー自身が地震に対する家づくりの違いを知らない事は

「ブレーキが10回までしか使えない車」

「エアバッグがついていない車」

を知らずに選んでしまうくらい無謀な事では無いかと思っています。

p240コラム9

「地震発生前の電離層異常」

大気の状態が地震予知につながる可能性があるという内容

オーロラの原理は、太陽表面から電気を帯びた大量の粒子が地球に降り注ぎ、空気中の酸素原子や窒素原子と衝突して発光する。酸素原子から緑色、窒素原子から赤色の光が出てオーロラとなる。」

伝承や都市伝説のような話も、実はまだ知らないだけで科学的根拠が見つかる日が来るかもしれません。

宮崎の地震の日は、確かに月が赤かったです...

(高度が低く赤い光が届きやすかっただけかもしれませんが)

豊橋の地震と津波

ここまで長文を読んで頂いた方、ありがとうございました。

本当は、地震以外の事も発信したいのですが、どうしてもブログを書き出すと長くなってしまい高頻度で更新できず優先的に知って頂きたい事が地震耐震関連になってしまいます。

またしばらくブログは更新できない予感がするので、ダイジェスト的に、住宅検討上級者へのおすすめを載せておこうと思います。

ご参考下さい。

(プロが見ても優良級の内容かと思います。むしろプロ向けかもしれません。)

〇ミライの住宅全館空調講座を無事修了

 熱負荷計算、空調機器選定をより具体的に計画する

(スーパー大工工務店、小栗建築工房さんの発表)

〇樹々匠建設さんの恩納の家を見学

 性能と意匠を両立させ、外構まで見どころ満載の、ずっと居たい空間

〇東京大学の前先生の空調選定講座

主催パッシブデザインカムホーム木村さんの設計力と実測力

〇ブルーセージ千葉さんの地盤判定のプロセミナー

液状化リスクについて学ぶ

地盤塾

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