諸刃の剣な気候の豊橋
豊橋の全国と比較した気候的特徴は下記のようなものがあります。
豊橋市の自然条件
https://www.city.toyohashi.lg.jp/secure/8741/05-1%20shiryo1_R3.2.pdf
〇温暖
国交省の定める建築物消費エネルギーを定める省令の地域区分は1~8の中の7で本州トップクラス
(最高の8は沖縄や小笠原諸島、鹿児島の一部のみで、7はその次の基準)
〇日射取得が多い
建築研究所の年間の日射地域区分は4(これも1~5までで、5は南の島)
※但し、暖房期の日射取得はH3で割と普通
太陽光発電は、一般の1.5倍の発電量があるという大学の先生もいます。
と、そんな話を温熱の勉強会等で他地域の工務店の方と話していると、うらやましがられるのですが、
豊橋市民からは「そんなに暖かくないよ」という意見を頂きそうで、自分もそう感じています。
それはなぜかというと「風が強い」というのがかなり大きい理由になっています。
北海道から来た方が「北海道より豊橋の方が寒い」というほどに・・・
外の環境を変えるのはなかなか難しいのですが、室内を何とかするのは建築会社の仕事です。
どうすれば効果的かというと、
〇風の強さによる漏気(隙間風)をなくす。
〇換気時の影響を減らす
事が考えられます。
換気に関しては3種と1種の違いだったり吸排気口の位置関係で話が複雑になるので改めますが、漏気をなくすためには
「C値」と言われる気密性能の確保で状況が変わります。
この影響を具体的に数字やお金として換算するために、
「暖房期間中の漏気量および漏気による暖房負荷の増分一覧表」を参照してみます。
少し極端な例ですが、この表を参考にすると、漏気がほぼない場合と郊外で漏気を気にせず建てた家(C値が5c㎡/㎡)を比較すると
年間暖房負荷増分が8.4GJもあります!
と言ってもなかなか一般の方にはピンとこないと思うので、
電気でもう少し馴染みのあるkWhにすると2,333kWhに!
というのも馴染みがないとすると一番馴染みのある円に換算します。
仮に中部電力の単価をkWh/30円として(今は政府補助でこれより少し安くなっているくらいかと思いますが、今後上がって行く可能性は高い)
として計算すると30円×2333kWh =69,990円!
もちろん、室温20℃での全館連続暖房での条件なので極端な例に見えてしまうかもしれませんが、健康を保つにはこの温度が理想です。
年間約7万円は30年にすると210万円
は、ご理解頂けると思います。
昨今各社が力を入れ出している「UA値(断熱性能)」だけだとせっかくお金をかけても風の力で半減してしまいます。
他にも、ランニングコストが変わってくるのがパッシブ設計や蓄熱があります。
特に豊橋に住む方は、日射を遮る事もしっかり対策をしないと断熱性能が高いほど夏は苦しむ事になります。
その辺りの内容はまた改めて書こうと思います。せっかく全国有数の良い条件の地域ですので、知識のある方に増えて欲しいしもっと詳しい方に教えてもらえたらと思っています。
お知り合いで興味がありそうな方がおられましたら是非教えて下さい。