知らぬが仏
先週は、不動産会社さんの紹介で店舗リフォームの現場調査に伺いました。
木造3階建、登記を見ると
約50年前に二階建てを新築、約30年前に三階建てに増築と読み取れます。
図面も無かったので、リフォームプラン作成のために現場を採寸している途中で違和感が
一階の壁が少なく、柱も細い...
内、外装リフォームだけなら施工業者としては関係ありませんが、どうにも気になり簡易的に耐震診断もさせて頂きました。
その結果、大きな地震が来たら倒壊の可能性が割と高い判定に。
計画がストップしてしまう事になるので、がっかりされるのではないかと躊躇しましたが、不動産会社の方と、お施主様に「住むのは基本的に辞めた方が良く、店舗としても補強無しではあまりオススメできず補強するには結構な金額がかかってしまいます。」と正直にお伝えしました。
今まで、リフォームでその流れになると大体「検討します」と返事をもらったまま連絡が無く、後日他の会社が施工しているパターンが多く、こちらも仕事が無くなるつもりで話します。
ですが、今回は少し違う流れで面白い方向に進みそうな予感。
まだどうなるかはわかりませんが、考え方が近い方達のお仕事ができるかもしれない思うと、とてもやる気がでます。
「知らぬが仏」という言葉、私自身詳しく無い時は深く考えずに幸せでしたが、知れば知るほど穏やかには話せない事が増えてきます。
今の品質の差が激しい建築業界(特に住宅)では、
「大事が起きるまでは品質が悪い事を知らずに仏の気持ちで過ごせる」という従来の意味から
「詳しくは知らないけど、知識のある担当者に任せたら何があっても仏の気持ちで過ごせる」
というお客様も、業者側も増えて欲しいと思います。